2017年8月に財務省は、今後の税務規定に関する修正についての提案を行いました。この提案には、多岐に渡り(法人税、個人所得税、付加価値税、特別消費税等)、重要な修正事項が多く含まれています。これら提案の目的は、以下の通りです。
1.財政再建
2.国際的な税務実務慣行への対応
3.税務規定の明確化、実務負担の減少化
(法人税)
・ キャピタルゲイン課税の変更
従来は、売却益の20%であったが、売却額の1%へ変更
・ On the spot 貿易に関する外国契約者税の変更
従来は、1%であったが、0.5%へ変更
・ 不動産売却時の利益と、その他事業(優遇税制を受けていない。)との損失が相殺可能
・ 過小資本税制の導入
負債と資本の比率 製造業 5:1 、 その他 4:1 、銀行 12 :1
・ 推奨事業分野への優遇税制制度の明確化
ハイテク産業、裾野産業、高付加価値の製造業
・ 小規模事業に対する法人税率の変更
1.年間売上30億ベトナムドン(約1,500万円)・・・・15%
2.社会保険上の従業員200名以下で、年間売上30億ベトナムドン(約1,500万円)から500億ベトナムドン(約2億5千万円)
ただし、親会社の株式・持分比率が25%以上の会社を除く。
(個人所得税)
・ 以下に該当する場合、個人所得税が50%とする。
1.IT産業の高技術者
2.ハイテクを使用、もしくは推奨されるハイテク製品を作るための農業、農産物加工従事者
・ 税率適用所得額を以下に変更
課税対象額 (1か月あたり) |
税率 (%) | |
---|---|---|
1 | ~10百万VND (約5万円まで) |
5 |
2 | 10百万VNDから30百万VND (約5万円から15万円まで) |
10 |
3 | 30百万VNDから50百万VND (約15万円から25万円) |
20 |
4 | 50百万VNDから80百万VND (約25万円から40万円) |
28 |
5 | 80百万VND超 (約40万円以上) |
35 |
・ 資本取引による個人所得税は、居住者、非居住者を問わず利益課税から売却額の1%へ変更
・ 懸賞による所得税率が累進課税方式へ変更
課税対象額 (1か月あたり) |
税率 (%) | |
---|---|---|
1 | ~50億VND (約2,500万円まで) |
10 |
2 | 50億VNDから100億VND (約2,500万円から5,000万円まで) |
20 |
3 | 100億VND超 (約5,000万円超) |
30 |
・臨時所得に関する課税所得対象額の変更
従来の2百万VND(約1万円)から5百万VND(約2万5,000円)へ変更
個人所得税率は10%
・ 所得税の申告方法の2種類の提案
1.年度の確定申告の廃止
月次申告を行い、年末調整の実施
2.確定申告を実施
ただし、未払額もしくは還付が、300,000VND(約1,500円)以下の場合は不要。
(付加価値税)
・ 税率の変更
5%が対象の取引は、6%
10%が対象の取引は、12%
・ 教育や医薬などの一部物品を10%から5%へ
・ 付加価値税及び法人税の損金算入および控除要件である、銀行使用による送金額が、20百万VND(約10万円)から10百万VND(約5万円)へ変更
・ 付加価値税率6%を適用する会社が、還付を行う場合は、連続する12か月もしくは連続する4四半期が、仕入VATが超過している必要
(特別消費税)
・ ソフトドリンクに対して10%の特別消費税を課税
・ タバコに対する特別消費税の税率の引き上げ