▶ 財務省のベトナムの税務規定の変更に関する提案

2017年8月に財務省は、今後の税務規定に関する修正についての提案を行いました。この提案には、多岐に渡り(法人税、個人所得税、付加価値税、特別消費税等)、重要な修正事項が多く含まれています。これら提案の目的は、以下の通りです。
  1.財政再建
  2.国際的な税務実務慣行への対応
  3.税務規定の明確化、実務負担の減少化

(法人税)
 ・ キャピタルゲイン課税の変更
   従来は、売却益の20%であったが、売却額の1%へ変更

 ・ On the spot 貿易に関する外国契約者税の変更
   従来は、1%であったが、0.5%へ変更

 ・ 不動産売却時の利益と、その他事業(優遇税制を受けていない。)との損失が相殺可能

 ・ 過小資本税制の導入
   負債と資本の比率  製造業 5:1 、 その他 4:1 、銀行 12 :1

 ・ 推奨事業分野への優遇税制制度の明確化
   ハイテク産業、裾野産業、高付加価値の製造業

 ・ 小規模事業に対する法人税率の変更
   1.年間売上30億ベトナムドン(約1,500万円)・・・・15%
   2.社会保険上の従業員200名以下で、年間売上30億ベトナムドン(約1,500万円)から500億ベトナムドン(約2億5千万円)
    ただし、親会社の株式・持分比率が25%以上の会社を除く。


(個人所得税)
 ・ 以下に該当する場合、個人所得税が50%とする。
   1.IT産業の高技術者
   2.ハイテクを使用、もしくは推奨されるハイテク製品を作るための農業、農産物加工従事者
 
 ・ 税率適用所得額を以下に変更


  課税対象額
(1か月あたり)
税率
(%)
~10百万VND
(約5万円まで)
5
10百万VNDから30百万VND
(約5万円から15万円まで)
10
30百万VNDから50百万VND
(約15万円から25万円)
20
50百万VNDから80百万VND
(約25万円から40万円)
28
80百万VND超
(約40万円以上)
35


 ・ 資本取引による個人所得税は、居住者、非居住者を問わず利益課税から売却額の1%へ変更

 ・ 懸賞による所得税率が累進課税方式へ変更

  課税対象額
(1か月あたり)
税率
(%)
~50億VND
(約2,500万円まで)
10
50億VNDから100億VND
(約2,500万円から5,000万円まで)
20
3 100億VND超
(約5,000万円超)
30


 ・臨時所得に関する課税所得対象額の変更
  従来の2百万VND(約1万円)から5百万VND(約2万5,000円)へ変更
  個人所得税率は10%

 ・ 所得税の申告方法の2種類の提案
   1.年度の確定申告の廃止
     月次申告を行い、年末調整の実施
   2.確定申告を実施
     ただし、未払額もしくは還付が、300,000VND(約1,500円)以下の場合は不要。

(付加価値税)
 ・ 税率の変更
    5%が対象の取引は、6%
    10%が対象の取引は、12%
 
 ・ 教育や医薬などの一部物品を10%から5%へ

 ・ 付加価値税及び法人税の損金算入および控除要件である、銀行使用による送金額が、20百万VND(約10万円)から10百万VND(約5万円)へ変更

 ・ 付加価値税率6%を適用する会社が、還付を行う場合は、連続する12か月もしくは連続する4四半期が、仕入VATが超過している必要


(特別消費税)
 ・ ソフトドリンクに対して10%の特別消費税を課税

 ・ タバコに対する特別消費税の税率の引き上げ

2017年11月21日